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弁護士コラム

一人親方がケガをしたら——特別加入していなくても、元請に賠償請求できるケースがあります

一人親方の労災のイメージ

建設業の一人親方(個人事業主として働く大工・鳶・電気工・内装工など)が現場でケガをしたとき、「労働者じゃないから労災は関係ない」「個人事業主だから自己責任」と言われることがあります。半分は正しく、半分は間違いです。制度の仕組みと、諦めてはいけない理由を解説します。

原則:一人親方は労災保険の対象外。だから「特別加入」がある

労災保険は「労働者」を守る制度なので、事業主である一人親方は原則として対象外です。その代わり、特別加入制度に加入していれば、労働者とほぼ同様の給付(治療費・休業補償・障害補償・遺族補償)を受けられます。建設業の一人親方は特別加入団体を通じて加入するのが一般的です。

特別加入している方へ:給付の基礎になる「給付基礎日額」は加入時に自分で選んだ額です。低い日額で加入していると休業補償も低くなります。まだ事故に遭っていない方は、収入に見合った日額への変更を検討してください。

特別加入していなくても、諦めてはいけない2つの理由

理由① 「実は労働者だった」と認められるケースがあるから

契約書の上は「請負」でも、実態として——特定の会社の指揮命令下で働き、労働時間を管理され、報酬が日当計算で、道具や材料も会社持ち——という働き方であれば、法的には「労働者」と評価され、通常の労災保険給付を受けられる可能性があります。形式ではなく実態で判断されるのがポイントで、「一人親方」という肩書きだけで対象外と決まるわけではありません。

理由② 元請会社に安全配慮義務を問えるケースがあるから

労災保険とは別に、現場を実質的に管理・支配していた元請会社(または注文者・上位下請)に対して、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求できる場合があります。裁判例でも、元請の指揮監督下で働いていた下請作業員・一人親方との関係で、元請の安全配慮義務を認めたものが少なくありません。足場や安全設備の不備、危険な作業指示など、現場の安全管理に問題があった事故では、慰謝料・逸失利益を含む賠償請求を検討すべきです。

事故に遭ったら確保しておきたい資料

  • 現場・事故箇所の写真(足場・開口部・安全設備の状況)
  • 元請・上位下請とのやり取り(LINE・メール・作業指示書・日報)
  • 入場時の書類(新規入場者教育の記録・作業員名簿など、現場の管理関係を示すもの)
  • 報酬の支払記録(請求書・振込明細——労働者性の判断材料になります)
  • 治療の記録(受診時に「どこの現場で・何の作業中か」を必ず伝える)

フリーランス・ギグワーカーの方も同じ発想で

近年、特別加入の対象は建設業以外のフリーランスにも大きく広がっています。また、配達員など「個人事業主」とされる働き方でも、実態次第で労働者性や発注者側の責任を問える場合があります。「雇われていないから無理」と思い込まず、働き方の実態を弁護士に見せてください。

一人親方の事故は「誰に・何を請求できるか」の見極めがすべてです

契約形態と現場の実態をお聞かせいただければ、取り得る手段を整理してご提案します。初回相談は無料です。

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