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弁護士コラム

家族が労災で重い障害を負ったら——ご家族のための完全ガイド

家族と道しるべのイメージ

ご家族が仕事中の事故で救急搬送された。命は取り留めたが、重い障害が残るかもしれない——このページを読んでいるのは、そんな状況のただ中にいる奥様・ご主人・親御さん・お子さんだと思います。まず、お伝えしたいことがあります。労災の手続きも、会社への損害賠償請求も、ご本人が意識不明や重傷で動けない場合には、ご家族が代理・代行して進められます。そして、いつ・何をするかで、受け取れる補償は大きく変わります。このページでは、ご家族が「今すべきこと」を時系列で整理しました。今いる段階のところだけ読んでいただければ大丈夫です。

この記事の要点

・ご本人が動けなくても、ご家族が代理・代行して手続きを進められる
・事故直後の証拠集めと、毎日の介護記録が、後の等級と賠償を左右する
・会社との示談は、症状固定・等級確定まで保留する

【事故直後〜数週間】まず3つだけ

  • ① 治療は「労災」で受ける——業務中のケガに健康保険は使えません。病院には「仕事中の事故」と伝え、労災の扱いにしてもらってください。労災指定病院なら窓口負担なしで治療を受けられます
  • ② 事故の情報を集めて記録する——いつ・どこで・何の作業中に・何が起きたか。会社からの説明はその日のうちにメモし、可能なら現場の写真、目撃した同僚の名前・連絡先を控えてください。時間が経つほど現場は片付けられ、記憶は薄れます。事故直後の今しか取れない証拠があります
  • ③ 会社の言葉を鵜呑みにしない——「労災にしなくても面倒を見る」「手続きはこちらでやる」という言葉が出たら要注意です(労災隠しへの対処法)。誠実な会社も多いですが、確認はご家族の目で

【治療中】生活を支える給付と、記録の習慣

  • 労災申請——治療費(療養補償給付)と、仕事を休んだ分の休業補償を申請します(休業補償給付6割+休業特別支給金2割の合計8割。特別支給金の2割は、後の会社への損害賠償から差し引かれないお金です)。会社が協力的でなくても自分たちで申請できます
  • 付き添い・介護の記録(介護日誌)をつける——いつ・どんな介助をしたかの毎日の記録は、後の等級認定と将来介護費の請求の両方に効く、ご家族にしかできない証拠づくりです。ノートでもスマホでも構いません
  • 会社とのやり取りは形に残す——見舞金の話、復職の話、事故原因の説明。重要な話はメールで確認を返す習慣を
  • ご家族自身の生活も守る——休業補償の入金までの生活費、傷病手当や貸付制度など、困りごとは相談時にあわせてお聞かせください

【症状固定が見えてきたら】ここが勝負どころです

治療を続けても大きな改善が見込めなくなった状態を「症状固定」といい、ここから後遺障害の等級認定に進みます。等級が1つ違うだけで、補償の総額は数百万円〜数千万円変わります。後遺障害診断書を書いてもらう前に、一度ご相談いただきたい最大の理由です。

症状ごとの詳しい解説はこちらをご覧ください(すべて等級・金額・立証のポイントまで解説しています)。

意識・記憶・性格の変化高次脳機能障害——会話はできても「以前と別人のよう」なら必ずご確認ください
手足の麻痺脊髄損傷——麻痺の範囲と程度で1級〜12級
腕・足の切断切断の等級と義肢の給付
内臓の損傷・摘出挟まれ事故と内臓損傷——外から見えない障害こそ立証が大切です
目・耳の障害目の後遺障害/難聴・耳鳴り
介護が必要な状態介護(補償)給付と将来介護費——月18万円超の給付と数千万円規模の将来介護費

【示談の話が出たら】サインの前に、必ず一度

会社や保険会社から示談の提案があっても、等級が確定する前のサインは禁物です。提示額が適正か、慰謝料や逸失利益が正しく計算されているか、清算条項で将来の請求が封じられないか——確認すべきことは5つあります。労災保険からは慰謝料が1円も出ないため、会社に安全対策の不備があれば、労災給付とは別に損害賠償を請求できます。重度事案では総額が1億円を超えることもある領域です。

ご家族を亡くされた方へ

最愛のご家族を労災事故で亡くされた方は、死亡事故直後にすべきことと遺族補償年金・損害賠償の金額のページをご覧ください。悲しみの中で手続きに向き合うのは本当に苦しいことですが、葬祭料には2年、遺族給付には5年の時効があります。会社への損害賠償請求権にも時効があります(損害と加害者を知った時から5年・最長20年。時効の詳細はこちら)。手続きの代行を含め、私たちがお手伝いします。

【実際の裁判例から——ご家族に知ってほしい3つのこと】

◆持病があっても、会社の責任は問えます——高血圧などの持病がある教職員が勤務中に倒れて亡くなった事案で、裁判所は、健康状態を把握して仕事量を調整すべき雇う側の安全配慮義務の違反を認めました(岡山地裁平成6年12月20日判決)。「持病のせいだから」という説明で諦める必要はありません。

◆安全設備の不備は、そのまま会社の責任につながります——屋根からの墜落で脊髄損傷を負った事案で、足場や防網などの墜落防止措置を怠った請負業者の賠償責任が認められました(浦和地裁平成8年3月22日判決・脊髄損傷の解説はこちら)。

◆ご家族の介護は「損害」として認められます——重い脳損傷が残った被害者について、裁判所は、家族による介護に加え、家族が仕事に出る時間帯のプロによる介護費用まで、将来分の全額を損害として認めました(さいたま地裁平成18年8月4日判決・交通事故の事案)。介護日誌などでご家族の介護の実態を残しておくことが、こうした認定の土台になります。

ご家族からのご相談で、すべて始められます

  • ご本人が入院中・意識がない状態でも、ご家族からのご相談で方針を立てられます
  • 病院やご自宅への出張・オンライン面談にも対応します(※出張相談の場合、交通費・日当等をいただくことがあります)
  • 労災申請・等級認定・会社への損害賠償請求を一体の戦略として設計します——これがバラバラに進めるより有利な結果につながります

まとめ

ご本人が動けなくても、ご家族が代理・代行して労災の手続きを進められます。事故直後の証拠集めと毎日の介護記録が後の等級と賠償を左右し、会社との示談は症状固定・等級確定まで保留するのが原則です。

何から手を付ければよいか分からない段階で構いません。ご家族からの初回無料のご相談で方針を立てられます。

よくある質問

Q.何から始めればいいですか?

A.①治療を労災扱いにする、②事故状況を記録する、③会社の説明をメモする——まずこの3つです。本文の時系列ガイドで、今の段階にあわせてご確認ください。

Q.弁護士にはいつ相談すべきですか?

A.できるだけ早い段階をおすすめします。証拠の確保や診断書の準備など、早いほど打てる手が多くなります。ご家族からのご相談で構いません。

今の状況を、そのままお聞かせください

「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそ歓迎です。事故の状況と現在の症状から、これからの道筋を丁寧にご説明します。初回相談は無料です。

※お電話・メール・LINEはご相談の予約受付です。利益相反や業務の状況により、ご相談をお受けできない場合があります。

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